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離脱防止の施策として効果的なWeb接客ツールとは

離脱防止の施策として効果的なWeb接客ツールとは

サイトを運営していくうえで、離脱率は重要な要素です。

ではユーザーに離脱をさせないためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

今回は離脱防止の施策としておすすめのWeb接客ツールなどについて紹介していきます。

Web接客とは?

「Web接客」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

おそらく、一般の方にはあまり馴染みのない言葉かもしれません。

Web接客とは自社のECサイトに訪れてきたそれぞれのユーザーに対して個別に対応しコミュニケーションを取ることで、確実に売上に直結させようという施策のことです。

リアル店舗で買い物をするときのことを思い浮かべてみてください。たとえば、洋服を購入するためにブティックを訪れたとしましょう。

店内で「どの服にしようか?」とあれこれ迷っていると、すかさずショップの店員さんが近寄ってきて「どんなものがご希望ですか?」「こちらの服がお客様にお似合いですよ」といったように声をかけられることがあると思います。

このような行動をWeb上で実現するのがWeb接客です。

なぜWeb接客が注目されているのか?

これまで、多くのECサイトでは売上を伸ばすためにSEO対策を積極的に行ってきました。

SEOとはGoogleやYahooといった検索サイトで商品などを検索したときに、検索結果において自社のサイトができるだけ高い順位で表示されるようにするための施策のことです。

具体的には文章の中に一定の割合でキーワードを盛り込むことや衛星サイト(サテライトサイト)と呼ばれるサイトを大量に作成してECサイトへのリンクを貼ることでサイトの信頼性を上げるといった手法があります。

こういった手法が確かに効果的だったときもありますが、現在は検索サイトのアルゴリズムも非常に精度が向上していて、小手先だけでのSEOでは効果が出なくなってきています。

つまり、「SEO対策を講じることで自社サイトに多くのユーザーを引き入れてしまえば、それに応じて売上も伸びるだろう」という考え方はもう通用しないのです。

そこで注目されるようになったのが「離脱率」と「コンバージョン率」です。

ECサイトの乱立もあって競争率が非常に激しい中では、多くのユーザーを自社のサイトに呼び込むこと以上に、訪れたユーザーに確実に商品を購入してもらうことのほうが重要になります。

Web接客はECサイトを訪れたユーザーが求めている商品や情報を適切なタイミングで提供することで商品購入を促すことができるので注目されているのです。

Web接客の機能と特徴

Web接客の機能を自社のECサイトに導入するのは難しいのではないかと考えている企業もあるかもしれませんが、実は多くの企業からさまざまなツールが販売されているので、非常に簡単に導入することが可能です。

中には「マネバズ」のように個人であれば無料で使用できるツールなどもあります。

ここでは、Web接客ツールとして代表的な「ポップアップ型」と「チャット型」の2つのタイプについて詳しく見ていきます。

1.ポップアップ型Web接客

「ポップアップ型Web接客」はサイトの中央など目に付きやすい場所に「セール情報」や「クーポン情報」などをポップアップさせる機能です。

サイトを訪れたユーザーの商品検索履歴やサイト内の遷移履歴などの情報を元に、ユーザーが求めているであろう商品やサービスの情報を表示します。

また、ブラウザのCookie情報を参考にすることで、初めて自社のサイトを利用するユーザーに向けて「初回限定の割引クーポン」などを表示させることも可能です。

ポップアップ型Web接客では「一定時間経過したら」「ページの一番下までスクロールされたら」といったように、特定のタイミングで情報を提供できるのも大きな特徴です。

たとえば、サイトに長時間滞在していて商品を購入しようかどうか迷っているユーザーに対して適切なタイミングで割引クーポンの情報を表示させれば購入を後押しすることができますし、個人情報の記入ページやカートページに長く滞在しているユーザーに対してはサポートデスクへのポップアップを表示させることでスムーズな購入を促すことが可能になります。

ただし、リアル店舗で何度もしつこく接客されたら煩わしいと感じることがあるのと同じように、Web接客でもしつこい表示はあまり歓迎されません。

表示の頻度や回数などには注意が必要です。

2.チャット型Web接客

もう1つが「チャット型Web接客」と呼ばれる施策です。

画面のサイド部分などにチャットスペースを設置して、商品の機能や配送料金などについて質問があればチャットに書き込むことでお店側とコミュニケーションが取れます。

チャットスペースは常時表示しておくこともできますし、一定時間滞在したユーザーに対して「何かお困りですか?」といった形で表示することも可能です。

ユーザーからの質問に対してはAIが行うのが一般的です。

AIに対して不安を感じるユーザーもいるかもしれませんが、最近のAI技術の進歩は素晴らしく、十分に精度の高い回答を期待することができます。

Web接客ツールを導入するメリット

Web接客ツールにはさまざまな機能があり、導入すると多くのメリットが得られます。ここからメリットを紹介していきます。

1.ユーザーに自社のECサイトのサービスをより深く知ってもらえる

ECサイトの大きな問題の一つに「離脱率の高さ」があることはすでに説明しました。

せっかくSEO対策をしっかり行ってたくさんのユーザーにサイトに訪問してもらっても、結局は買わずに別のサイトに移動してしまいます。

こういった離脱率の高さの原因の一つには、サービスのわかりづらさがあります。

初めてサイトを訪れたユーザーは「購入した商品はどのくらいで届くのか」「送料はいくらかかるのか」といったことがわからないので、「商品を見るだけで見て、購入するのはサービス内容をよく知っているいつものお店で」というパターンがほとんどです。

しかし、チャット型Web接客により簡単にサポートセンターにアクセスすることができれば時間や手間をかけずにサービスの内容を詳しく知ることが可能になりますから、離脱率を改善することにつながります。

また、いつでも質問しやすい環境があることで、ユーザーは安心して買い物ができるのです。

リアル店舗でのショッピングでも、初めて利用するショップの場合は緊張する人が多いと思います。

しかも、店員が忙しそうにしていて気軽に話しかけられる雰囲気ではないと余計不安を感じてしまうでしょう。

それはWeb上でも同じことで、困っているときに誰かに見守られているという環境を提供することはコンバージョン率を上げるためにとても大切な要素です。

2.購入をためらっているユーザーに対して積極的に働きかけることができる

ネットでショッピングするユーザーは、普段から利用するサイトを決めているケースがほとんどです。

先程も言ったように普段から利用していることでサービス内容をよく知っていますし、Amazonポイントや楽天ポイントなどのポイントを貯めるために、そのショップでしか買い物しないというケースもよく見られます。

そういったユーザー層に自社のECサイトを利用してもらうためには、利用することで得られるメリットを伝えなければなりません。

その際に有効なのがポップアップ型Web接客です。

「普段利用しているサイトと値段が変わらないなら、わざわざここで買わなくても……」と悩んで切るユーザーに対して割引クーポンのポップアップを表示させれば購買行動につなげることができるでしょう。

また、ブラウザの閉じるボタンを押したときやページの一定部分までスクロールしたときにポップアップを表示させる設定をしておくことで、離脱率の改善にもつなげることができます。

3.他店舗との差別化を図ることでユーザーに対して特別感を提供できる

Web接客ツールの導入されていない一般的なサイトでは、訪れたすべてのユーザーに対してまったく同じ情報が提供されることになります。

このような一元的な情報では扱う商品やサービスが増えれば増えるほどユーザーの求めるものが見つかりにくくなり、売上につながりにくくなってしまうのです。

しかし、Web接客ツールを導入することでユーザーの活動を分析してニーズを把握することができれば、そのニーズに合った商品のセール情報を提供することやその標品を購入する際に利用できるクーポンの情報を表示することが可能になります。

これによってユーザーは自分の探している商品に素早くアクセスすることができるだけでなく、より安い価格で購入することができるわけですから、他店舗と差別化を図ることができるでしょう。

また、このような経験をユーザーに体験してもらうことで、「このお店なら自分に役に立つ情報が得られる」という特別な感情を与えることも可能ですから、リピーターやファンを獲得することにもなります。

4.サポートへの迅速な対応とコスト削減ができる

自社のECサイトを快適に利用してもらうためにはサポート体制の充実が重要な要素となります。

しかしながら、サイトは基本的に24時間365日稼働しているので、すべてのサポートを有人対応にしてしまうと人件費が大きくなってしまうのが問題です。

Web接客ツールは設定を切り替えることでサポート対応を自動化することも、有人対応にすることも可能です。

また両者を組み合わせることもできるので、通常は定型的な質問を自動化しておいて、それでも問題が解決しないときだけ有人対応に切り替えるといった運用もできます。

このような機能によってサポートのコストを削減することが可能です。

ツールには質問内容を蓄積してデータ化する機能もあるので、質問を受ければ受けるほどユーザーに対して適切な回答ができるようになるというメリットもあります。

また、チャット型Web接客は電話によるサポートよりもスピーディーに対応できるのも大きなメリットでしょう。

みなさんの中にはカスタマーサポートに電話してもなかなかつながらずに長い時間待たされた経験のある方も多いと思いますが、チャットであれば複数人からの質問を並行して処理することができるのでユーザーを長時間待たせてしまうということがありません。

顧客満足度という観点からもWeb接客ツールの導入はとても意味のあることなのです。

5.ユーザーデータをマーケティングに活用することができる

Web接客ツールでは適切なタイミングで適切なポップアップを表示させるために、「どのページに長く滞在しているか」「どのくらいの頻度でサイトを訪れているか」「どのカテゴリの商品を閲覧しているか」といったユーザーのデータを取得して分析を行っています。

このデータをマーケティングに活用することで、最初は売上につながらなくても徐々にコンバージョン率を上げることができます。

また、ユーザーの多くがどのような商品を求めてサイトを訪れているのかを知ることができれば、新しい顧客を呼び込むための戦略にも役立てることができるでしょう。

Web接客を導入する際に注意しておきたいこと

1.導入する目的を明確に定める

Web接客ツールを使用するうえでまず最初に考えなければならないのは、「どんな目的のために導入するのか」を明確にすることです。

ECサイトの抱えている課題はそれぞれであり、「売上を伸ばしたい」というところもあれば「コストを削減したい」というところもあるでしょう。

「サポート体制を充実させたい」というサイトもあると思います。

それぞれの目的にあったツールを導入するようにしましょう。

2.導入するタイプを決める

最初に目的を定めておくと、導入するWeb接客ツールのタイプも絞り込むことができます。

これまで説明してきたようにWeb接客ツールにはポップアップ型とチャット型の2つの種類があり、それぞれに効果やメリットが異なります。

ポップアップ型は離脱率の改善や販売促進の効果が大きいですし、チャット型はサポート体制の充実や顧客満足度アップに効果的です。

どちらのタイプを導入するのか、また、両方合わせて導入するのかをスムーズに決めることができるでしょう。

3.導入コストと効果を比較する

Web接客ツールにはさまざまなものがあり、費用も無料で利用できるものから高額なものまでさまざまです。

当然ですが、高額なものほど利用できる機能が豊富になりますが、コストがかかりすぎてしまうと売上を圧迫してしまうことになるので注意が必要です。

導入コストと効果、必要な機能などのバランスを考えて導入するツールを選びましょう。

4.サポートの有無や範囲を確認しておく

Web接客ツールにはサポート費用が最初から料金に含まれているものもあれば、別途必要になるものもあります。

ツールで得られるデータを効率的にマーケティングに活用するためにはコンサルティングサポートが欠かせませんし、何か問題が発生したときに速やかに対応してもらえるかどうかもツールを選ぶ重要な基準となります。

ツールを選ぶ際は「充実したサポート体制が整っているか」、「サポートを受けるためにどのくらいの費用が必要になるのか」といったことも忘れずにチェックしておくことがポイントです。

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Written by Monebuzz

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